Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

ノーフォーク島旅行記その1

ノーフォーク島位置

南太平洋、ニューカレドニアに近くにあるノーフォーク諸島はオーストラリア領ながら自治政府を持ち、オーストラリア領でありながら国際線でのフライトとなり入国審査や税関があり、オーストラリア本土からの距離も合わせて「海外」という雰囲気がある。法的にはオーストラリア国内移動なのに記入する「出国カード」や「入国カード」は妙な話である。

この島は本土から遠く離れた離島でオーストラリアよりもニュージーランドやニューカレドニアに近く、それだけに幾つかの固有の鳥類を有するので熱心なオーストラリアの野鳥ファンなら遅かれ早かれ足を運ぶ土地である。最大の目的は絶滅危惧種ノーフォークインコを見る為だ。

ノーフォーク島に入植が始まる前は500羽程度が暮らしていたと見られるノーフォークインコはもちこまれたネズミとネコというおきまりの侵略者の他、飼い鳥としてもちこまれ脱走して繁殖を爆発的に島全域に広げたアカクサインコとの競争にもやぶれ1988年の調査では生存数わずか32羽と壊滅的な状態となった。しかしその後20年の保護活動は大きな成功を収め、2007年時点ではノーフォークインコの数は240羽を数える程になり、その順調すぎる回復はオーストラリアにおける希少種保護の最高のケースと賞賛されてきた。

それで油断したのか政府からの基金がたたれ近年再び減少に転じていると言う噂があったが、2013年末に発表されたノーフォークインコに関する報告は衝撃的な物だった。

 推定生存数46羽以上92羽以内。
 その上極端にメスが少なく、繁殖可能なのは11つがい。

これは再び絶滅寸前。既に世界で最もレアなインコの1つとなっており、ノーフォークインコの窮状とその野生の姿を日本の人々にも伝えなければと思った。手配をはじめてから数日後には島に降り立った。ケアンズからならまずブリスベンまで1500km、そこからノーフォーク島まで更に1400km程のフライトになるが乗り継ぎはよく、早朝ケアンズの自宅を出て夕方には島に着ける。

←再び絶滅寸前となったノーフォークインコ。まにあった。


(今後数回に分けてノーフォーク島旅行記を残します。日本におけるノーフォークインコの絶滅との格闘に関する知名度は著しく低く、できればシェアをお願いします)

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