Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

セスジムシクイ調査キャンプ2022 その2

オーストラリアマルハシ
出発までのわずかな時間、ローンヒル国立公園の駐在職員居住エリアを探鳥する。有名国立公園の敷地内に住んでいるというのは良いものだ。周りは野鳥だらけでここに一日いてもかなりの写真が撮れそうだった。オーストラリアマルハシ。

クチシロミツスイは分布図状はケアンズにもいることになっているけど昔から一度もいたことはない。そのためあまり馴染みがなく、いつも慣れるまでしばらくその声に戸惑うミツスイになってる。この個体は額に花粉を多く付着させていて『クチシロ』という名前なのに黄色く見えるのはおそらく花粉のせいだと思われる。

ローンヒル付近から分布が始まりカカドゥ国立公園にかけて分布しているワキアカヒタキもここでは簡単簡単。
翌朝、セスジムシクイ調査体の車列はローンヒル国立公園の深部に向けて職員居住区を出発。

ここは電気自動車や軽自動車とは一ミリも関係がない辺境の地だ。悪路走行は私にとってレジャーではなく仕事と生活の一部であり、通算で10万キロくらいは舗装されていない土地を生活をかけてガチで走って、数千回は川を車で渡っていると思う。だから生涯通算で10kmもオフロードを走ったことがないであろう日本のユーザーや評論家が車の走破性に関して、耐久性に関してどこかで読んだ知識を懸命に云々カンヌン述べているのを見るたびに可愛らしく感じる。水150リットルを積んで何処かに出かけたことがあるだろうか?飛石が命中して窓ガラスにヒビが入ったことが通算100回くらいあるだろうか?


出せる速度は20kmくらいか。ここまで辿り着くのに10時間運転。いやもう疲れたが、夕陽はそれを祝福してくれた。この人跡未踏の巨大国立公園の深部をスルーハイクするツアーとばったりでくわし、オーストラリアにもそういう事をお金を払ってでもやりたい、楽しいと思える市場があることが嬉しい。私はもともと虫や魚を捕まえる遊びからこの世界に入り、青年期は山登りに夢中になっていた。動物に進んでいったのはその後になる。若い頃は動物を見なくても山中にいるだけで飛び跳ねるように楽しかった。

全く無加工、スマホでシャッターを押しただけの写真。四方を原野が囲い、何十キロにも渡って誰1人として存在しないという僻地に身を置くことを私は幸せと考える。オーストラリア在住日本人には日本に一時帰国することが人生最大の娯楽という人が本当に多い。そんなに日本が好きならなぜオーストラリアに住んでいるのか?は聞いてはいけないことになっている。コロナ時代になって彼らは最大の楽しみや目標を失いもがき苦しんだであろう。私は今後2度と日本に行けないともしなっても全然困らないぞ(実際行ってないし)。親には申し訳ないが。

今年からルーフトップテントをやめ、オーストラリアの伝統であるスワッグを用いるキャンプスタイルに変えた。事実上取り外しができないで半永久的に天井を占有するルーフトップテントに比べスワッグは簡単に上げ下げでき、軽く、設営も数分で済むので当分これで行こうと思っている。マットレスや寝袋、枕を中に残したまま畳めるのがルーフトップテント最大の楽ちんポイントだが、スワッグもそれは同じである。スワッグ自体を設営するのに数分かかるのが余計なだけ。

オーストラリアゴジュウカラがいた。亜種leucopteraの分布の東端。ケアンズ付近のstriataとは異なる亜種のオス。

こちらはメス。名前はゴジュウカラだが、見ての通り形態が異なり厳密にはゴジュウカラの仲間ではない。

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