Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

観光ルートになっているケアンズ植物園について意見

ケアンズ植物園故フレッカー博士の私的コレクションだった様々な世界各国から集められた植物は博士の没後ケアンズ市が植物園として管理し、入場無料で公開している。ここは以前から日本人観光客の観光ルートとして、近年はそれに加えて中国人観光客の観光ルートとして鉄壁の存在の1つになっている。なぜなら地元の旅行業者にとって、無料で提供できる観光場所というのは世界最高水準の所得を背景に物価の高いオーストラリアにおいては有り難い物であるからだ。

しかし私はケアンズ植物園が観光ルート化している事に対しては否定的。特段の興味がある人はいい。あるいは一週間を超えるような中期長期滞在の人もいいと思う。ここでは2日半−3日半しかいない一般観光客の話をしている。海外から収集された観用、園芸植物を海外旅行中のその限られた時間に見る事に一体どれほどの意味があるのだろう。それらの植物はそれこそ世界各国どこの植物園に行ったって見られる物だ。そして、日本で見た方が通常は解説もコレクションも充実している。(中国は知らないが)

重要さで言えば

 その土地の固有種>その国の固有種>その他在来種>>>>>>>>外来種>園芸種

であって、日本でのまともなネイチャーツアーやウォークではガイドやリーダーに「これは何ですか?」と尋ねると「外来種ですよ」「こんなの園芸種です」とひややかな反応が返ってくる。海外旅行中ならなお他に見るべき物があるり、ましてや固有種が溢れゴンドワナ起源の古代植物も多く、自然林が豊富なケアンズでは人工的な外来種の園よりもそこらの天然の茂みについて案内した方が遥かに意味を持つ。もちろんそれだけの力量があれば、の話だが。何故短い滞在時間を消費してまで外来種溢れるケアンズ植物園を見学しなければいけないのか?天然の森とか、世界自然遺産とか、街の周囲にいくらでもあるじゃない。

次々にやって来る日本人か中国人観光客どちらかを載せた観光バスを見ていると「北海道に旅行に行ってマクドナルドとか輸入食材の店で食事してもしょうがないのと似ている」「もったいないな」と思う。

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