Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

サイクロン”ハミッシュ”その後、とお勉強

7日は全てのクルーズとキュランダ鉄道、スカイレールが運休。ただ、勢力はカテゴリ?3とかなり強いものの暴風圏が小型であるハミッシュは、ケアンズへの雨風はさほどでもなく普通の雨期の一日といった感じだった。こうなると、明日あたり「サイクロンなんて怖くないじゃーん」とか「準備したのに拍子抜けした」とかの在住者ブログがいっぱい出てくるはずだ。


台風には危険半円と可航半円という言葉があり、進行方向の左右で別物として考える事を知っていますか。
北半球の台風は、うずが反時計回りに発生する。その台風の進行方向右側は台風自体の速度に風が後押しされ大荒れになる。逆に進行方向左側は、台風が巻き起こす風は台風自体の移動速度に相殺され比較的穏やかになる。この場合、危険半円は当然右側であり、可航半円は進行方向左側になる。
しかし南半球のサイクロンはうずが時計回りに発生するため上記は全て右左反対になる。進行方向左側が大荒れゾーンであり、右側は可航半円になる。
サイクロンハミッシュは一貫して北から南へ移動しており、ケアンズは進行方向右側、可航半円にあった。且つ、勢力は強いもののサイズは小さいハミッシュの暴風圏は陸上まで及ばなかった、と言うのが真相。
可航半円という言葉からも推測できる通り、船舶に関わる人には必須かつ免許試験頻出の事例です。遠洋漁業等で台風や温帯低気圧が発生し、港に逃げ込む事が出来ない場合はとにかく可航半円側に移動するようつとめます。by 船舶操縦士(管理人)

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