Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

ガルフ地区の水没

←黄色部分は水没(各種報道を総合)
ケープヨーク西南部、ノーマントンやカルンバといった町や周辺がほぼ水没してもう6週間。かつて町だった所は今でも見渡す限りほぼ完全に水の下だそうだ。インガムやタリーなど、ケアンズ南部国道一号線沿いで浸水していた各地は既に復旧しているけど、ガルフ地区は深刻になるばかり。陸の孤島状態が解除されるには更に数週間はかかる見込みで、食料はおろか飲料水も絶たれ空輸に頼っている。


市長代行は、
「なぜインガムやチャーターズタワー(どちらも国道一号線状の町)には24時間以内に(軍や政府、多数の団体から)支援があり我々は6週間にも渡って放置され、あまり報道にもなっていないのか」
「ビクトリア州の山火事は確かに悲劇だが、こちらも牛10万頭が水死し2000人の人間だってあぶない」
「一週間あたり200トン必要な物資のうち60トンしか空輸されていない」と、なかなか認知されない状況に怒りを見せている。海岸線から80km離れたとある農場(だった所、今は湖)ではサメが背びれを出して泳いでいるそうだ。
確かに、「それは毎年の事だろう」「僻地に住んでいる以上ある程度しょうがない」という感覚があるのは確かだと思う。私も正直、(あの辺に住んでいるような人ならなんとかするだろう)という意識があるのは否定できない。ラウラもずっと封鎖されたままだしそれが普通なんじゃないかとか。
ましてやシドニーやキャンベラはおろか州都ブリスベンなど、大都会にいる役人達はクィーンズランド州北部を基本的に人間がいない場所と思っているフシがある。戦争中にオーストラリア軍が実験で大量破壊兵器(バンカーバスター)をアイアンレンジに投下して吹っ飛ばしたり、イニスフェルで熱帯雨林へ枯れ葉剤を試してみたりしたことからもわかる。いや、人住んでるんですけど。私もこの間、なかなか届かない通販へ催促の電話をかけたら、「けあんず?郵便番号は何?4870…?うわっ、そんな奥地にはそう簡単には届かないよ」と言われた。ケアンズでも、だ。
ケアンズの奇麗な道路を毎年毎年ひっぺ返しては新しく作り直してるお金があればケープヨーク各地に橋くらい何カ所にも架けれるだろうに。

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