Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

トレッキング記録5:カールパーリムロック

カールパーリムロック
もっと暑くなる前に標高1306m、カールパーリムロックへ登って来た(私は岩山に目がない)登山口にある情報板によれば、往復で7時間。私は日帰り登山では異常な、トレーニングも兼ねた10kgの荷物を背負っているのでどれだけかかるか分からない為、早めに登りだした。これなら、いくらゆっくりでも日没には間に合うだろう


ちなみに山頂周辺はこんなとこだ。全く山歩きの経験がない人はやめといたほうがいいかもしれない。
登山口は二つあるのだけど、上りには奥の方の登山口(林道の終点)から。あれ、なんかここ前に来た事あるよなぁと思いながら日焼け止めと虫除けを塗って出発。クロオビヒメアオバトやカワリオオタカを見ながら登っていて思い出した。ケアンズでのバードウォッチングを始めたばかりの頃、途中まで登った事がある。道はなだらかながら気になるのは地面が濡れている事だ。この辺りは雨上がりのよう。こうだと、ヒルがわらわら出てくるし(実際、二カ所噛まれた)日が昇ってくると蒸発して蒸し暑い。しばらく行くと、笑えるような急登、直登にさしかかる。いやー暑くなって来たけど、ハバシニワシドリが30m置に東屋を構え狂ったように騒いでいるので気が紛れた。暑いのと急登なのとでもくもく登っていくと一回道を外れた。誰もが間違える場所の様で踏み跡は20m程度で消えていた。みんな「おかしい」と思ってターンするのだろう。
周辺の植生が変わり始めたねぇと思いながら進んでいくと、突然行く手を花崗岩の壁が遮った。急だったし、思っていたよりも遥かに大きなそれに「うわっ!」と声に出してしまった。大岩がごろごろする中、張り付くようにして隙間を通る。いい感じ。バックパックを背負っているとすり抜けられない所とか、岩にそってトラバースなど久々にテクニカルな山だ。チムニーとかも出来る。楽しい。たき火の跡のようなものがところどころに有るけど、いつもながら一人にも出会わない。日本のように中高年が山歩きを趣味にしていないし、まして学生が山歩きするなどこちらではジョークになるだろう。つまり、ケアンズの人は山にはなかなか来ない。

5つある山頂周辺の展望台の一つからの眺め。麓にレイクモリス、最奥はケアンズ市だ。


マリーバなどアサートン高原中部も見える。

ここに住んでもいいな、とかちらっと思ったり。足下で数十羽のキバタンが騒いで飛び、カミカザリバトやフエガラスも混じる。
展望台の一つへは、この垂直に近い壁を登らないと行けない。一応、ロープが垂れ下がっているんだけど風かなにかで左へそれてしまっていてまっすぐこちらへ垂れて来ておらず、だいぶ高い所にある(地上から3.5m程度)助走を付けて、でやあああっと駆け上がるんだけどあとちょっと届かない。でも、元登山部として行かないと。
考えて、50cm位の枯れ枝を刀のように腰に差し、でやああっと駆け上がりながら枝でロープをたぐり寄せる事に。一回目は失敗。もう一度助走を付けて駆け上がり二回目の抜刀はロープを捕らえてどうにかまっすぐに地面に向かって垂らす事が出来、3回目のダッシュでそのロープに掴まって登れた。しかし、苦労の割にここからの眺望は大したことはない。
帰りは登って来た道と違うルートで。あと車を停めてある所まで高低差150m、というところで目印を見失う。と、いうよりは消えた。後ろを振り返ると目印が転々と有るのに前方にはどの方角にもない。はてさて?タヌキにでも化かされたか?誰も歩いていないような寂れた登山道の宿命か?
方角は分かってるし、もうあと500m位のはずなので確信犯として道なき所を無理矢理突破して車へ。ふぅ。
10kgの荷物はそんなに気にならなかった。暑くなる前にもう一つくらいどこかの山を登っておきたいと思っている。

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