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『かえって行く場所』椎名誠 集英社文庫

 『かえって行く場所』椎名誠 集英社文庫を読んだ。おだやかな、どこか寂しい私小説。ファンというほどではないが、この十数年来著者の作品は縁があり読んできた。人は年を取りどんどん丸くなっていくようだ。


あらすじ
三十年住んだ武蔵野の地を離れ、妻とふたりで都心へと居を移した「私」。ゆっくりと確実に変化していく日常と、家族の形。近づいてくる老いと沈殿していく疲れを自覚しながら、相変わらず取材旅行に駆けまわる毎日だ。そんなとき、古い友人の悪い報せが「私」を大きく揺るがせる…。『岳物語』から二十余年。たくさんの出会いと別れとを、静かなまなざしですくいとる椎名的私小説の集大成。
【目次】
桜の木が枯れました。/高曇りの下のユーウツ/窓のむこうの洗濯物/東京の白い夜景/冬の椿の山の上/屋上男の見る風景/エルデネ村の狼狩り/アザラシのためのコンサート/波止場食堂のノラ犬たち/雪山の宴。キタキツネの夜。/イイダコの水鉄砲/プンタ・アレーナスの金物屋

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