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斜陽ー太宰治

『斜陽』 太宰治 角川文庫を恥ずかしながら今頃読んだ。この蒸し暑い南国ケアンズで、こういった人間の内面を考えるというのも不思議なものだ。いい加減で、楽天的で、単純なケアンズ人と照らし合わせると「斜陽」の繊細な内容が滑稽にも感じる。環境が文学を作るというのは本当だ。
 それから、時代。最後の手紙の「俺は貴族だ」という所のように、当時の華族階級をテーマの一つにしているのも感情移入を拒んでいる。


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
敗戦後、元華族の母と離婚した“私”は財産を失い、伊豆の別荘へ行った。最後の貴婦人である母と、復員してきた麻薬中毒の弟・直治、無頼の作家上原、そして新しい恋に生きようとする29歳の私は、没落の途を、滅びるものなら、華麗に滅びたいと進んでいく。戦後の太宰治の代表作品。

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