Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

オーストラリアの悪法【車中泊は絶対許さない】

野宿禁止の看板【←野宿/車中泊はその場で罰金$500】という看板。ごく一部の指定地を除いて野宿/車中泊が禁止されているオーストラリア。現実に日々パトロールや取り締まりも行なわれている。

日本では限られた面積に一億二千万人もの人間が暮らしていながら野宿は禁じられていない。特に車中泊は一部の特殊な人の間だけではなく最近では”P泊”といったジャンルも確立され市民権を得ているように見える。

オーストラリアは日本の20倍以上の国土と6分の1の人口と言う、人間1人当たり日本の120倍以上の途方も無いスペースを持ちながら野宿/車中泊を法律によって禁止し、実際にせっせと毎日取り締まりを行なっている。静かに車の中で眠る事もいけない。こういうPTA的な、過剰な管理好きのオーストラリアの一面は私は嫌いです。オーストラリアのニュースサイトでも、この話題は関心が高く肯定派と否定派の考えが激しく対立するジャンル。興味ある人は論争を読んでみて欲しい(英語)

https://www.cairns.com.au/article/2010/08/02/120641_local-news.html
https://www.cairns.com.au/article/2010/08/06/121311_local-news.html


結局「金を落とさないから」という主張以外、野宿/車中泊撲滅派の人々から理解可能な根拠が出ていない。「ゴミを捨てるから」と書いていた人もいたけど、それは捨てた人を罰すればいい話で車中泊自体を禁じる論拠にはならない。それがまかり通るのならイヌの散歩も禁止になってしまう。

ごく一部の指定地を除いて野宿/車中泊が禁止されているこの国では、こういったフル装備のキャンピングカーも狭いキャンプ場の塀の中でキャンプしなくてはならないという不思議かつ笑える状態になる。キャンピングカーの意味がない。


本音のところは野宿/車中泊を認めると日本よりもはるかに多いキャンプ場業界の経営に悪影響が出るから、という既得権の為の規制と考えていいだろう。『警察の取り締まりが不十分だから、車中泊によって俺は毎日$1000の収入を逃している』と書き込んだキャンプ場の運営者もいる。

冒頭の写真にある『野宿は現行犯で罰金$500』というのは制限速度を30−40kmオーバーで運転という人命を深刻に危険にさらす猛烈なスピード違反(罰金$466)などよりももっと罪が重い。これはあまりにも狂っているというほか無い。

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