Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

4ヶ月の雨量5000mm!恐怖2024年の雨季

恐怖2024年の雨季12月に始まったケアンズの雨季は毎月のように発生する台風も相まって途方もない雨量を地域全体にもたらした。4ヶ月間の累積雨量は多いところでは5000mを超えており、ウチのあたりも3500mmを記録しているという。数年前の旱魃の何年かは一年かかって1000mmにとどかない年も何回もあり、飲料水がなくなったり当時何百本と植林している頃で多くの犠牲を出したというのに、植林をしなくなってこの2年ずっと雨が降っているというのは皮肉なものだ。

SNSでは「引っ越す」とか「キャビンフィーバー」という単語も飛び交っていた。マンションに住んでいる人はまあ毎日50mmの雨が3ヶ月降り続いても「いやねぇ」とぼやくくらいで済むけど、何エーカーもある郊外の一軒家に住んでいる人たちは夥しい雑草との戦いや泥沼化する庭、倒れてくる木々などとの戦いになる。キャビンフィーバーとはそうした悪天候で室内に長期間閉じ込められた結果ある日突然発狂して心中などを図る心の病のことである。

正直な私は「雨季の間はケアンズに来てはいけませんよ」と公の場でも言い続けている多分唯一の日系旅行業経営者だろう。

それでもツアーはゼロにはならないので、まあできることをしていくしかない。川は大増水し2-3mもあるような流木が次々流れてくる状況で鳥を探すというより安全が懸念される状況。桟橋は水没しており土手からボートへ飛び乗らないといけないような状態。「もうやらなくていいよ?」と言ったけどヤケクソで催行。まあそれでもルリミツユビカワセミの2個体が愛想がよく、ロッジでうずくまっているよりは良かったが、それは結果論だろう。

これは探鳥地ルイス山へ続く橋があったところ。洪水で橋そのものが押し流され、3ヶ月経ってようやく歩行者だけが渡れる仮の橋がかかった。なぜなら橋の向こうにも数世帯あったらしいので。なおルイス山はここから10km未舗装道路を登ったところにあり、歩行者橋が開通したからといって探鳥に行ける状態ではない。

ヒクイドリも折り畳み傘とレインコートを着ていたよ。

ケープトリビュレーションへ行く仕事の途中の予告なき立ち往生。このエリアは何十箇所もの崖崩れがあり道路がひどい被害を受けているのはわかる。しかし、警告もなく道路を1時間近くも閉鎖するのはどうよ?

何の説明もない状態が続く中で騒然とする現場。私を含む観光バスはここをまた帰りに通らなければならないんだぞ…

ケープトリビュレーションの観光業はこの雨季の大洪水と道路閉鎖で大打撃を受け、大半のビジネスが閉業に追い込まれたと何度かニュースで見た。開通したはいいものの、こんな杜撰な交通整理をしていたら、ますます誰も訪れなくなるだろう。

ディンツリー川の渡し代金はさらに値上がりしており、ハイエースで往復すると77ドル…。私はもう自主的に来る事はないだろう。

4月16日未明、全く予報にはなかった大雨が降り一晩で300mm以上を記録し、ディンツリー川は8m増水。最悪なのはケアンズの雨雲レーダーまで一緒に壊れたのでツアーの判断を誤った。マウントカーバインへ向かっていた我々はマリーバの北のところが冠水して通行止めになり、雨の中それはもう必死でマリーバ界隈だけでツアーをした。もう確実なのは雨季のケアンズは避けることだね。。。

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