Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

雨期を振り返って

ケアンズ雨期3月もようやく終わり。長い雨期もほぼ終わりといって良い時期になった。

ケアンズは毎年1月から3月まで雨期を迎え、大雨で真っ暗、湿度90%という地獄の季節がある。私のような野の人であれば、さらにそれらに加えてぬかるんだ道路、落雷の危険、五百万匹のヤブ蚊、ダニ、線虫といったものも加わる。時折晴れが続くことがあるが、その何日間は公式発表の体感気温が45℃を超える。つまり、雨期にはオーストラリア北部に来ない方が良い。


その証拠として、ネイチャー系のガイドや施設は軒並み休業している。マリーバウェットランドビジターセンターやキングフィッシャーパーク、レッドミルハウス、トルガウッドワークス、レイクバリーン、ディンツリー村の全飲食店、ディンツリー川のネイチャー系クルーズなどだ。早いところは12月後半から休業に入り、遅いところは4月1日まで再開しない。

私も毎年1月から2月はケアンズに居たくないので趣味をかねて海外で業務をしているので、それら休業組の一員である。雨期の間、ガイド仲間の多くはヨーロッパや南米を旅行中になり仲間内でSNS合戦になるのが笑えるが、業績が苦しくないからこそ可能な休業であり、そのコダワリが結果的に業績を押し上げることになっているらしい。



なお今年雨期の最中に日本のとある旅行会社が数日間のケアンズバードウォッチングツアーを催行し、こちらでは「この最低な時期に!」衝撃を持って受け止められた。私なら絶対拒否する。ちなみにその一行が滞在したロッジはその日本人ツアーが帰るやいなや直ちに閉鎖しヨーロッパへ脱出、2ヶ月半のバカンスを満喫中である。そんな時期にお金を払って参加する人々が可哀想である。


私はコスタリカやカンボジアから帰国後、頼まれているドキュメンタリー番組用の映像(悪天候編)を撮ったり新規事業に関する許認可を進めたりしていた。暗澹たる映像、苦難シーンを撮影するには格好の時期とも言える。


←典型的な雨期のケアンズレーダー。

傘で防げるのはせいぜい黄緑と緑色のエリアで、黄色やオレンジはバケツをひっくり返す豪雨。青や赤、白の+マークは落雷中であることを示し、屋外にいるのは非常に危険。緑の線は強い風の向き。バードウォッチングどころではないだろう。更にサイクロンが上陸する可能性が一番高いのも雨期の間で、そうなった場合は一段と悲惨な旅になる。

世界は広い。オーストラリア大陸だけでも広い。別にあえて雨期のケアンズに来ずとも、選択肢は無限にあると思う。

Exit mobile version