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長期の無補給キャンプ(車ベース)で必要な改造 3 : 大型リチウムバッテリー

自ら望んでそうしているのだけど、全く人間が暮らしていないような未開地域に2週間引き籠るような事態に毎年なっている。それを快適に生き延びるために必要な装備の話を過去2回にわたって書いている。第一回は


第二回はこちら

長期の無補給キャンプ(車ベース)で必要な改造 2: 走行充電システム

長期の無補給キャンプ(車ベース)で必要な改造 1: 冷蔵庫の話

3回目の今回説明するのは大型サブバッテリー(リチウムイオン)だ。前回の投稿で触れた通り、強力な走行充電システムを手に入れてもその電気を貯めておく場所が必要だ。そうでなければエンジンを切っている間に冷蔵庫などの電気製品を使えない。これまで6年ほど使っていたのは


昔からあるAGMというタイプのサブバッテリー。サイズは100AH(現行のモデルは120AHになっている模様)これまでは走行中にこのバッテリーにゆっくりと電気が溜まり、エンジンがかかっていない時はここから電気を取り出していたのだが問題点は
 1. 容量は100AHでも、従来のバッテリーでは容量の半分を超えて使うと急速にバッテリーの寿命を縮める(つまり使えるのは実質50AH)
 2. 両手でも持ち上げるのが大変な、30kgを超えるバカ重さ
 3. 大きすぎてエンジンルームには格納できず、遠征時は貴重なトランクスペースを占有する
 4. 劣化スピードが速く、2-3年で交換

これらのイライラを全部解消するのが、皆さんのモバイルバッテリーやスマホのバッテリーでもお馴染みのリチウムイオン電池です。

同じく100AH。このサイズだとね、1−2年前なら$2000くらいしたんですよ!2020年の今なら安いのなら$300台からあるけど、砂漠のような僻地でそれを使うのは怖いので私のは$500ほどのもの。リチウム電池はすごい。

これまでのと同じ100AHなのに重量は30kg以上からわずか9kgに激減。指二本でつまめる重さに!配達されてきた時、配達員が掌に載せて歩いてくるのを見て、何か違うものが届いたんじゃないかと思ったよ。体積は3分の2くらいに減少。従来のAGMバッテリーが2-3年で寿命となるのに対し、リチウムはその3−4倍の寿命を誇る。そのうえ、リチウム電池は容量の半分以上使ったら弱るからダメ!ということはない。皆さんのスマホだってモバイルバッテリーだってそうでしょう?

ところでランドクルーザーのエンジン部手前にある謎の空きスペース、これ何のためか知ってますか?かなりの重量物を支えられるような鉄板が底に見え隠れしてますよね。

あのスペースはこうして二つ目のバッテリーを収納するためのものなんですよ。そういう用途で生産されている車なので。これまでのAGMバッテリー100AHでは大きすぎてこのスペースに入らず、60AHくらいでないとダメだった。60AHの半分しか使っちゃいけないなんてことになればあまり役に立たない。リチウム電池は小さいので、100AHのバッテリーをこのスペースに収納できるようになったのは遠征時に貴重なトランクの容積を解放し、車体後部ばかり重くなりがちな重量バランスを前方に振ることもでき、素晴らしい改良になる。(エンジンルームにバッテリーを配置するデメリットもあるけどここでは割愛します。それはリチウムに限らず全てのバッテリーに言えることです)

そうそう、このリチウムバッテリーの電圧(どのくらい容量が残っているかの目安)を、ボンネットを開けて調べなくても車内でチェックできるようにメーターも取り付けた。

こうして毎年2週間のボランティアに行くための数々の改造(浪費)よ。数年前に揃えたシステムがイマイチだったのでこうして全部売って買い直すことになった。これから始める人は参考にしてください。リチウムイオン電池もソーラーパネルも5分の1、10分の1値段で買えるようになった素敵な時代に生きているのだから。

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