
帰国中にバードウォッチングを毎朝何時間もすることになるとは全く思っていなかったので双眼鏡さえ持ってきていないのは失敗だったが、肉眼でウグイス、シロハラ、アオジなどを観察できたのは救いだった。
今回プロミナーのオーバーホールを依頼したのがきっかけで話が進み、私がコーワプロミナーの販売促進にオーストラリアで従事していく代わりにかなりの割引価格でこの新型プロミナーを譲っていただいた。
毎日降る寒い雨にはうんざりしたし、じゃあ歩くのも大変だからと言ってバスに乗ろうにも人手不足ということで減便されたらしく、1時間に1-2本しかない。東京だよ?吉祥寺でこれなら地方都市なら1日3便とかじゃない?
オーストラリアなら常時警察官二人乗車の4500ccランドクルーザーあるいはスポーツカーだけど、それでなければ制圧できないような暴れん坊も少なさそうだし、時速170kmで逃走する車とかもなさそうだしね。
滅多にない休みを使って遠いところまで来て、お金を使って、なぜ私は寒い中朝の4時5時から毎日何時間も散歩していないといけないのか。私はとても無駄なことをしている。とっととオーストラリアに帰って仕事に戻ろう。
そんな決断をしたこの朝は1週間ぶりくらいに晴れた日だった。長く続いた雨が黄砂などの空気の耐え難い汚れを洗い流し、日本に来て空は初めて澄んで見えた。それは別れの朝で、とても切ない情景に感じた。
みんな狂うくらい一時帰国を楽しみにしているし、それを生き甲斐にしている人がほとんどだ。が私はそういう一般人とは積んでいるコンピューターが異なる。その行動力は爆発的で日本人離れしている。親にも「切り上げて帰ります。もう成田です」という事後報告メールのみだ。
1週間ぶりのよく晴れた日、私は静かに日本を離れた。
(完)

