Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

ヨーク半島アイアンレンジ 15日間英語ツアー

ヨーク半島アイアンレンジ 15日間英語ツアーと最近何回か書いている通り、20年間無視してきた欧米の野鳥ツアーマーケットに頼まれて参入することになった。もともと貴族の遊びとしてイギリスで発祥したバードウォッチングは現在でもどちらかといえば富裕層やインテリ層の趣味であり、オーストラリアでも年配のパイロット、医師、獣医師、博物館学芸員、レンジャー、ジャーナリストなどが多い。それらを外国人であり彼らよりもずっと若い私が英語で案内すると言うのは簡単なことではなく(このガイドはいい意味でヤバイやつだ)と安心してもらえるまでの約1日を乗り切れば、あとは日本のかたのご案内と基本は一緒だ。ただ向こうもかなり詳しいのでその点ガイドは相当突き抜けていないとコントロールできない。

今回の依頼はヨーク半島アイアンレンジを中心としたツアーを2本連続で行う15日間。車が4WDで2台になる関係でもう一台を他の州から来たオーストラリア人ガイド(博士号保持者)がつとめ、でも私がチーフガイドだという設定でプレッシャーも大きかったが、私はこの集団の中で一番若く唯一のアジア人である自分が一行の総責任者であるという状況に苦笑いしていた。

スマホでちょっと写真撮るだけで、自分のカメラなんて持っていく立場じゃないですよ。

ヨーク半島アイアンレンジ国立公園はサイズとしてはまあまあ大きいのだけど、真ん中を道が1−2本通っているだけであり全ての人々が同じエリアに探鳥にくる。そこでは野鳥たちは人々による鳴き声のプレーバックなどに連日辟易しており、厚い熱帯雨林の防壁にも遮られて小鳥たちの観察は難易度が高い。「こんなに手強いとは」という感想をよく見る。こうした森が深く暗く、ハイプレッシャーな探鳥地は鳴き声や生息環境を完全に把握していないと、同じ場所に探鳥に行ったのに実力次第で半分しか収穫がなかったと言うことにもなる。

今回は巨大な一軒家を借り上げてスタッフを除く全員がステイした。ここは一般公開はされていない一見さんお断りの宿だが

駐車場に昼間っからスマホで撮れるくらいの距離にクスクスが出たり毎日何回もアカガオインコがやってきたり

一般のバーダーに連日プレーバックで叩かれていないだけにキバシショウビンやエリマキヒタキが簡単に反応したりで、国立公園に行くよりもここにいた方がよかった。

世界的に有名な『この先5kmは道端のバードウオッチャーに注意』という公式の道路標識が立っているほどの激戦区になっている。私が10数年前に初めて訪問した時とは隔世の感がある。

『キタメグロヤブコマ!!』

あと驚かされるのはオーストラリア人たちの食事のオーダーの細かさやアレルギーで3割はグルテンフリー。ベジタリアンやビーガンなども多く、何でも食べ物OKの人は半分くらいしかいない。ただ、自分達でレジや厨房に聞きに行ってくれるので通訳の必要がない分ガイドとしてはむしろ簡単かもしれない。

15日間実にいろいろなことがあったが自分が写真を撮らないのであまりブログに書くことはない。ただ自分の趣味と変わらない事を仕事として過ごし、さらに成長し、感謝され、15日間で約100万円頂けるのは幸せではないかと言うことだ。

先住民の町で見かけたムンクの叫びのようなモモイロインコのストリートアート。さてはあまり縁起のいい動物ではないな?

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