Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

草むしりのない国

オーストラリア式スプリンクラー

国土の7割以上を砂漠的な土地が覆い、それらのエリアでは人間が積極的に水を撒かない限りは大地にはほとんど生えてくるものはない。オーストラリアでよく見かけるこの自走式巨大スプリンクラーはいかに雨が降らないかを物語るが、このスプリンクラーが稼働しているエリアはまだ「手の施しようがある」ましな地域であり、私がツアーをしているような内陸部ではもはやスプリンクラーさえない。人類は依然として、圧倒的な砂漠地帯に降伏を続けたままだ。

最近法律が変わりランドクルーザーなどで宿泊を伴うようなツアーをしている私のような業者には、衛星携帯電話、ウインチ、消火器を全車両が搭載するように義務付けられた。無知な人が内陸で死亡する事例が後を絶たないため規制がどんどん厳しくなる。オーストラリアとはそういうところである。野鳥調査では「スペアタイヤを2本」「無給油で900km程度走れること(2017年new)」「40L以上の水」などが義務装備になっている。


内陸の水場には原始的放牧されている家畜達が集結。


野生に近いウマ。

作家の藤原真也が『草むしりなんて、環境の良い一部の国々にしかない贅沢な労働だ』というような事をどこかに書いていたのを読んだがその通りで、世話もしていないのに緑が生えてくるなんてオーストラリアの大半の地域では考えられない事だ。こちらでは絵を書く時に野山は茶色く塗る。

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