Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

ついにルーフトップテント(ハードタイプ)に行き着いてしまった

ルーフトップテント(ハードタイプ)ルーフトップテントとは、バックルを四箇所緩めるだけで屋根の上で半自動で立ち上がりその中で眠れるようになっているオーストラリアらしい大規模なキャンプ用具だ。他のキャンプスタイルに比べて車内にテント、マットレスまたはコット、寝袋、枕など積む必要がないため車内に大きな収納スペースを得られる。そして最大のメリットと思うのは、それらの寝具を全てルーフトップテント内に展開したままルーフトップテントをたためることにある。つまり駐車してルーフトップテントをポンとひらけばそこには即寝られる状態が整っており、撤収時も何一つ畳んだりすることなくルーフトップテントを閉じるだけで終了という超高速セットアップ・撤収が可能だ。1分以内に寝られる状態になり、撤収の場合でも2−3分という簡単さはオーストラリアのように何週間も連続キャンプをする国民に人気があるのが頷ける。テントやマットレスを毎日組み立てては畳み、空気を入れは抜き、ペグを打って抜いたりするのが面倒いうような最強のダメ人間用テントとなっている。しばらく使う予定がないときは屋根から取り外して納屋にでも入れておけばいい。


広げているのは昔から持っている自立式のオーニング。180度にとどまらず270度を覆って日陰を作る。こちらも強風時以外はロープ張りやペグも必要とせず自立しているので30秒で用意でき、30秒で仕舞える。

「こんな大掛かりなものいらん!」と思う人が多いだろう。私も登山部出身であり常に最軽量を志向し、海外の長大重厚なキャンプ道具には当初ものすごい拒否反応だった。ただそれは土俵の違いだったと今ならわかる。

毎年参加する野鳥調査では砂漠に近い無人地帯につき14日間全く補給ができないため、水だけで180リットルを車に積んでいく。150Lのガソリンがいる。スペアタイヤも二つ持ち、大量の食料とガス缶、着替えが加わる。それら一切を積んで悪路を走れるのは大型4WDだけであり、大型車は数百キロの追加荷重があっても走りや燃費にあまり影響はない。野営地は毎日移動させられ、地面も石やトゲのある植物だらけでデコボコ。もしルーフトップテントでなければ毎日テントを貼る場所探しに大変苦労し、毎日それを広げては畳んで広げては畳んで14日間を過ごすと発狂する(した)。設営と撤収に従来のキャンプスタイルだと毎日1時間半かかるとして、ルーフトップテントならそれが五分程度に短縮される。

私は登山部スタイルもオーストラリアの物量スタイルもどちらのスタイルも経験して、どちらの道具も知識ももち、使い分けてこの大陸をさすらう事を痛快と考える。

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