Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

恐るべき無関心

オナガテリカラスモドキ
天国へ召されたオナガテリカラスモドキ。市内中心部を歩いていたら、オナガテリカラスモドキがものすごい音を立てて窓ガラスに激突した。彼らは飛ぶ速度が早く眼もあまりよくないのかよくこういう被害に遭う。そろそろパプアニューギニア方面へ渡って行く時期だったのに。駆け寄って拾い上げたら、もう息はなかった。苦しむ間もなかったと思う。まだ若鳥なのにかわいそうに。私のすぐ前を、”どきどき夜行性動物探検ツアー”のある人が歩いていた。彼は、窓ガラスに激突して路上に転がったオナガテリカラスモドキを歩きながらちらっとみて立ち止まる事無くすぐ横を通り過ぎていった。
みなさん、どう思いますか。私の感情は間違っていますか。


動物や自然を紹介する仕事の人ですよね。
動物のおかげでお金をもらっている人ですよね。
いまあなたの足下で息絶えたその子が、何という鳥か名前くらい知っていますか?
動物の事、好きでもなんでもないんですね。
私が、今までお断りしていた雑誌への連載を引き受ける事にしたのは、こういった恐るべき自然に対する無関心を少しでもなんとかできないかと思ったからです。ケアンズから自然をとったら何もありませんよ。誰も来ませんよ。この子の亡骸は太平洋を望む景色のいいユーカリの木の下まで運んで埋めました。沢山の仲間達がパプアニューギニアへ移動を始めています。このユーカリの上空を飛んでいきます。

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