もともとマングローブ林だったこのエリアは今から40年ほど前にサトウキビ農場として民間が開発を開始。堤防で囲い海水を締め出して土地を乾燥化させると、それまで水中にあって無害だった硫化鉄などが大気に露出し酸素と触れて化学反応をおこし激しい土壌の酸性化を引き起こした。サトウキビ栽培は失敗。不動産開発業者に転売されたがそれも失敗。という紆余曲折を経て政府が買い上げて保護区として土壌の中性化を試みている。
ケアンズ観光業の中心でもある華やかなマリーナの対岸、マングローブエリアではこういった地道な環境保全の努力が国とボランティアによって続けられている。それらなしではマッドクラブやバラマンディーといった名産魚介類やグレートバリアリーフなどの観光資源とて成り立たないのだ。