Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

土壌の中性化の試み

立ち枯れた木々立ち枯れた木々。
もともとマングローブ林だったこのエリアは今から40年ほど前にサトウキビ農場として民間が開発を開始。堤防で囲い海水を締め出して土地を乾燥化させると、それまで水中にあって無害だった硫化鉄などが大気に露出し酸素と触れて化学反応をおこし激しい土壌の酸性化を引き起こした。サトウキビ栽培は失敗。不動産開発業者に転売されたがそれも失敗。という紆余曲折を経て政府が買い上げて保護区として土壌の中性化を試みている。


酸性化した土壌は雨や大潮で土地が冠水するたびに周囲の海や川へ流れ込み深刻な被害を出してきた。現在では水門によって水の出入りをコントロールしている他、写真のような装置で石灰を散布して土壌の中性化を計ってる。次の鳥類調査は5月頃に予定。
ケアンズ観光業の中心でもある華やかなマリーナの対岸、マングローブエリアではこういった地道な環境保全の努力が国とボランティアによって続けられている。それらなしではマッドクラブやバラマンディーといった名産魚介類やグレートバリアリーフなどの観光資源とて成り立たないのだ。

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