Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

マンゴーショックと豪メディア

オーストラリア産輸出用のマンゴーから正体不明の幼虫が見つかった事を受けて日本が輸入を禁止した事に対して波紋が広がっている。少なくとも、その幼虫が羽化して正体が分かるまでは封鎖が続く見込みで、シーズンを迎えた各マンゴー農場や労働者が悲鳴を上げている。こういう時、悪口の大好きなオーストラリアメディアは一斉に非難するのが常だけど、さすがにこの手の検疫関係の規制が世界最高レベルである自分自身の事もあって
「理解できる」
「日本には(そういった対処を取る)権利がある」
とおとなしくしている。


シーシェパードの時もそう思ったけど、騒いでるのは一部のメディアだけであって、一般のオーストラリア人は取り立ててどうこう思っていないという確信がある。身の回りのオーストラリア人を見ていてそう思う。全ての人がそうだというわけではないが、一般論としてオーストラリアの人は日本人程ニュース自体に関心が無い。ニュース番組の質、量からもそれは汲み取れるし、新聞を購読している世帯がケアンズで一割あるだろうか?恐らく無いでしょう。「オーストラリアでバスに乗って不思議な違和感を感じた。(略)誰一人、新聞も本も読んでいないのだ!活字を見ている人がいないのだ!」とある作家が書いていた。そんなマーケットなので、過激な論調で注目を浴びないと、というのはまぁ、みじめな商売としては理解できる。新聞は定期購読されないので、目に留まるような大見出しを付けないと買ってもらえないのである。その辺は、日本のスポーツ新聞夕刊の立場を想像してもらっていい。
その、騒いでいる一部のオーストラリアメディアの報道(こういうのは世論とは言わない)をめざとく見つけてきて、「オーストラリアで対日感情悪化!」と焚き付ける日本のメディアもある面では同じ位レベルが低いし、まんまと焚き付けられてタコ踊りしてしまう人も被害者とはいえ大いに恥ずべき所がある。

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