Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

オーバーパス

オーバーパス

ロープの上にミミナガバンディクートとオオミミギツネとフクロギツネを足して3で割ったような何かのぬいぐるみが。


これは実は植物園ビジターセンター付近に架けられたオーバーパス(ファウナクロッシング)だ。奥に見えるミラー張りの建物がビジターセンター。
文字通り動物達が道路に下りること無く、車に轢かれること無く反対側へ移動できるようにする為のもの。主にフクロシマリスなどの樹上性夜行性動物の利用を想定しているのだが、



オーバーパスの真横には、この付近でも一番明るい照明が煌煌と灯る。特に対岸のそれは街灯ではなく人間にも眩しいスポットライト。そのうえ最も車や人の出入りが多いビジターセンターの真正面に位置。こんな一番眩しくて騒がしいい箇所を、敢えて身を晒しながら夜行性動物は通らへんで、というのがナチュラリスト界の一致した意見。オーバーパスはこの一本だけである。なぜもっと静かで暗いところを選ばなかった?これは動物の為というよりも有権者や市民向けの宣伝として目立つところに設置されただけと考えられても仕方ない。ぬいぐるみの設置は通りがかりの人が冗談でやったと信じたいが…。
ミラー張りのビジターセンター自体も完成当時は売り物だった”ミラーに映り込む周辺の熱帯雨林景色”を勘違いして鳥達が次々に衝突死し「野鳥殺害センター」と揶揄されたものだ。ナチュラリストでない人や会社、行政がさもナチュラリストであるかのような振りをすると必ずぼろが出て、このように書かれ、話され、新聞にも載り、むしろ恥をかいた上に修正に余計なお金もかかってしまう。事前に適切な人にチェックを頼めむべき。

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