Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

国立公園キャンプサイト 新予約システム

キャンプサイト予約システムこれまで国立公園や自然保護区内にある州が管理しているキャンプサイトのほとんどは直接現地ヘ行って、そこにあるポストに申込書とキャンプ費用を投函する仕組みだった。

←しかしこのparksQシステムの導入により、どんな奥地のキャンプサイトだろうと完全予約制が導入された。面倒だ、システムが不安定だなど苦情を聞く事が多いこの新システムだけど、私は大いに賛成する。これによりキャパシティ30人程度のサイトに150人が殺到して無理矢理キャンプして富士ロックフェスティバル化する混乱はある程度解消される。


私や年金放浪者のように年中キャンプしている人間にとって、学校が一斉に休みになり家族連れが大挙してフィールドに押し寄せてくる”スクールホリデーズ”は恐怖の対象だ。普段なら自分以外に一組でもキャンプしていれば(今日は混んでるな)と思うような山奥が人で埋め尽くされる。たとえばケアンズ近郊のデイビスクリーク国立公園の一日あたりの予約人数を見てみると、普段は0人,0人,2人,0人,2人…..と一晩当たり一組がキャンプしているかいないか位だが、スクールホリデー期間(2013年7月上旬)は80人(満員),80人(満員),80人(満員),80人(満員),80人(満員),80人(満員)…..と続いていた。

サンデードライバーの運転が妙に目に留まるのと同じで、”スクールホリデーズキャンパー”は年間を通じてキャンプサイトにいるような年金放浪者や自然愛好家と生態がかなり異なる。その為常連達はスクールホリデー期間中は暑い時期ならもっと暑い地方へ、寒い季節なら一番寒い土地へ、よりアクセスの悪い国立公園へ避難してホリデーシーズンから逃げ出し、ほとぼりが冷めた頃に戻ってくる。とはいってもオーストラリアの場合大型4WDで1000km以上悪路を超えないとたどり着けないような秘境でも幼児連れオートキャンパーがどんどんやってくるので奥地へ逃げるのはあまり機能しないが。月間新車販売台数一位がプリウスでも軽でもインサイトでもなく、ハイラックスディーゼル4WDピックアップトラックという国である。この辺の軋轢は過去の記事
 アイアンレンジ旅行記ー4日目後編などに詳しい。

 野生動物を求めて一年間キャラバンでオーストラリアを巡り続けたおおさわさんは
スクールホリデーの間、どこに泊まるかは、私たちも散々考えました。移動の中継地みたいなところに滞在して、その近辺の地味な国立公園をねらう。間違っても海辺には近付かない。これでなんとかやり過ごせました』と以前コメントを送ってくれた。

事前予約システムの導入によってこういった状況の緩和を願う。もっとも私自身はスクールホリデー期間中は近年、野生動物探し/撮影は成り立ちにくくなって来たのでもう家に籠る事にしてるけど。オーストラリアの人口は10年で500万人も増えた。しかし国立公園の数は増えない。

←オンラインで予約、支払いをすると送られてくる予約票。インターネット環境がない旅行中に予約をしたかったらどうなるのか?というと、共通のID番号で電話や各地の国立公園管理局事務所でも予約や支払いが出来る。

なお、現時点では大半の人がルールを守らず依然として予約なしで来て勝手にキャンプを設営しているので予約票をかざして自分が予約、支払いをしたサイトから違法ただ乗りキャンパーを退去させるところから始めないといけない事が多い。

なお予約票右上にいる、QPWS(クィーンズランド州国立公園/野生動物管理局)ロゴの動物は一見クスクスに見えるが、正式にはコゲチャリングテイルである。

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