Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

ムネアカミフウズラのメス

日本にも一種類だけいるミフウズラはオーストラリアで発祥したグループと考えれていて分布もオーストラリア大陸全土、かつ7種類が存在する。小型の地上性で潜行性が高く、保護色な上にすごい速度でロケット弾のように逃げていくので現実的にはなかなか見られないグループであり、ましてや写真は難しい。しかし時折、特に春から夏にかけて妙に無警戒な個体が出るのも特徴で昨年はササフミフウズラがアサートンの林道で車を避けながらアホのようにうろうろしていたし、同時期にケアンズの資材置き場でも1週間以上にわたってササフミフウズラが徘徊して多くの人に撮影された。そしてクリスマス頃にはムネアカミフウズラが海岸通りにて同様の確変状態に突入した。
ムネアカミフウズラのメス
ばーん。ミフウズラ類とはとても思い難いようなフルフレームでいきなり登場。腹ばいになって撮影していたらなんだか訳のわからない小虫に腹や腕をたくさん刺された。熱帯の洗礼。

胸の赤みが強いのでメスのようですね。


これだけ接近できるとなると『カゴ抜けでは?』という疑問も全くないわけではなかったけど、一応この個体は人や自転車が近づきすぎるとダッシュで逃げていたし、寄って来るわけではなく単に警戒心の薄い個体のようだ。

クリスマス頃のケアンズは人間が住めるところとは思えないほど暑い。私は朝の1時間ほどだけいて暑さに発狂してアサートン高原に逃げ帰ったが、帰りがけにも近所のバーダーと思われる人たちが続々きていた。

それにしても思うのは近年バーダーが増えた。25年前、ケアンズ周辺、いやオーストラリア大陸北部で野鳥をやっているアジア人は私とせいぜいあと1人だけというレベルだったのに今では100人以上いて、この日は10歳くらいの日本人風少年がソニーのロクヨンを持って走り回っているのに唖然とした。しかしいつまで経っても野鳥だけで余裕で生計を立てているのは私とせいぜい後一人くらいである。


正面から見るとあのクビワミフウズラにも似ている。ミフウズラをこんなにまじまじ観察できる機会はまた何年もないだろうから、少しでも遠くに離れてしまった時はカメラを置いて直ちに双眼鏡に切り替え、細部まで徹底的に観察して図鑑に多くの書き込みを加えた。プロになれるかアマチュアで終わるかは、元々持っているもの(気質や視力とか)に加え、そういった向上心の違い。

新しく使い始めた双眼鏡、ツァイスビクトリーSFはこれまでのスワロフスキーの8.5倍に比べて倍率が10倍なので何を覗いても脳内の想像よりも大きく表示されて嬉しい。ツァイス ビクトリーSF 10×42の検索でこのホームページにやってくる人が非常に多く、高名な割にユーザーがまだ少なく気になっている人が多いことがわかる。

将来誰かが資料として使えるようにあえて音楽や字幕は省いた動画です(オチはないので適当なところで視聴を切り上げてください)。なおこの動画は一部は手持ちで撮ってますが、残りはアルカスイス化したザハトラー雲台が使われています。

ザハトラ雲台をアルカスイス化する

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