Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

10万羽のセキセイインコを求めて その4

セキセイインコ野生の15万羽
一番優秀な電話会社を使っても、オーストラリアの国土の9割において携帯電話は圏外になる。しかし私は衛星携帯電話を持っており、セキセイインコの大群が暴れまわっているここはある牧場の一角であることを把握するとすぐに所有者を割り出して電話をかけ、立ち入り許可を貰った。アウトバックをさすらって何千日。本当に深く私はオーストラリアの田舎を愛し、理解している。さあ牛の上に何万という野生のセキセイインコの群れが飛来。

って、道の方にも別の群れが!!

北のほうにもいるぞ!!セキセイインコは地面におりているときは草が妨げになって全く見えない。これでも全員が空中にいるわけではない。

あららフェンスのほうにも!1−5万羽の群れが数個、かつ一部は地面におりていることから合計で約15万羽の大群と推定した。しかし次第に合流を始めた後はカウント不能になった。もっといるんじゃないかという気もする。

先に公開済みの動画でもそう思ったが、この痩せた牛の群れとそれが巻き起こしている土煙りとセキセイインコの大群の絡みが最高の瞬間だった。こんなシーンCGだって思い付かないし、

この世で一番素敵なものを見ているっていう気分だね

おめでとうみんな。10年2ヶ月もかかってしまったが、それでも喜んでくれているよね。
セキセイインコの群れ(奥の緑色の煙)と組み合わさるように撮ってみる。

一人一人は結構バラバラなところにいたのだけど

どっちを向いても前方には緑色のセキセイハリケーンが!

セキセイインコ製カーテン。

先に公開済みの動画でもそう思ったが、牛とかツルとかはこの頭上のセキセイインコの大群に関して何にも思わないんだな。「すげー」とか言って見上げてる奴がいないかずっとファインダー越しに狙っていたのだけど見当たらなかった。やはりそういうのは高度な感情であって、動物は普通それを持ち合わせていない。そうであれば人間として過ごす自分の一生、こうした抽象的な美しさと充足感を求めて過ごしていきたいと思わないか?「何々を食ってウマかった」とかそんな次元ではなくてな。

静止画としてはこのセキセイ・カーテンの色合いや収まりも好きだ。

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