Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

10万羽のセキセイインコを求めて その2

岩場に野生のオカメインコ
10万羽のセキセイインコを求めて/その1からの続き。オカメインコも到着。
そういえばこの地域は砂漠であり村々の水はどこからまかなっているかというと、地下水。いわゆる井戸水なのだけど井戸の深さは東京スカイツリーがおよそ2本縦に収納できる深さとなる1200m。実に1200mも地表から掘り下げないと水が手に入らないのがオーストラリアで、もうそれはダイヤモンド採掘並みの規模の水道水だといっていい。全ての蛇口から温泉水が出てくる。

途方もない水道料金を負担しながらでも砂漠に少し人が住んでいる。小さな日本の常識などはケアンズあたりに置いてきた方がいい。



村のパン屋にて軽食時の一コマ。

ガラスケースの最上段にピザが何枚か並んでいたので「それを下さい」と頼んだら「あーこれはだいぶ古いから傷んでるかもしれないからタダであげるね!食べられなかったら捨ててね!」と差し出された。ってそんなもの陳列しておくなよ!オーストラリアもアウトバックへ行くとかなり物騒だからな。

ここからそう遠くない場所で初めて撮影されたことにちなんでか、トラック「ヒメフクロウインコ号」。まぁこれはオーストラリア人のバーダーでなければ面白さわかんないだろうな。

ヒメフクロウインコとは有史以来2013年までその死体しか見つからず、一枚の生きている写真さえ存在しなかった地球で最も伝説的とされる野鳥のことだよ。


気温43度では暑さに強いセキセイインコも茫然としている動画。



ワラルーもウジャウジャいるこの草原では最大500羽単位のセキセイインコが餌を採っていた。数千羽単位のセキセイインコを望まなければ、ケアンズ発二泊三日で見られる内容としては必要十分なものだったと思う。


しかし“野鳥に関してメディアや一般人が発信することはまるであてにならない”という私の持論はまた見事に当たってしまったな。この辺りにセキセイの目立った大群はいなかった。

我々はケアンズへ帰るがインコ写真家のO君が現地に残ることになり、セキセイインコが集まっている可能性があるエリアに関して帰り道相談が続いた。簡単に書いているがそれは東西500km,南北300kmの広大な原野地帯でありその中から数カ所の場所を絞り込むというのは、ローカル情報や生態を踏まえたおびただしい過去の経験値があって初めてできることだ。

60時間ほどのちに仰天の連絡が飛び込むことになる。

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