Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

ケアンズでミナミオオフルマカモメ!!

ケアンズでミナミオオフルマカモメケアンズに関係するインスタの写真を眺めていたら、その中にこの辺りにはいるはずのないミナミオオフルマカモメの若鳥を発見。

撮影者(ダイビングインストラクターと思われる)は”黒いアホウドリ”としていたけど、それがアホウドリの顔ではなくて、ミナミオオフルマカモメの若鳥であることはスマホの小さな画面の小さな写真でも秒速でわかるくらいには私は海鳥の経験を積んでいる。撮影者に連絡を取り、それが2019年7月7日にクックタウン沖リボンリーフNo.3にてダイビング船に寄ってきたものものと分かった。ミナミオオフルマカモメは本来タスマニアなどオーストラリア南部の沖合で見られる海鳥であり、調べた限り最も北部での記録は2017年ロックハンプトンでの記録。今回の記録はそこから1000km以上も北に位置し、おそらくミナミオオフルマカモメの最北記録であるとともに北クィーンズランド州にとって初めての記録になるだろうと思った。地元の野鳥グループのFacebook(英語)に投稿すると、仲間が更に記録を調べてくれ、1999年に今回の現場より約100km南のロウアイル諸島に打ち上げられたミナミオオフルマカモメの死骸があるそうだけど、生きているものとして、かつ最北端としての記録となることはほぼ確実になった。(写真はインスタのスクリーンショット)

なお私は2009年にも同じような発見をしている。ディンツリー地区の観光パンフレット写真の背景に、当時としてはこの地域に存在するはずのないシラボシリュウキュウガモの群が写っているのに気がつき、発行元に電話をかけ、写真提供者を割り出し、撮影日を割り出した。それはケアンズ近郊でのはっきりと写真で確認できる最初のシラボシリュウキュウガモの記録となっている。

→『実は三年も早かった!? シラボシリュウキュウガモのケアンズへの到達実は三年も早かった!? シラボシリュウキュウガモのケアンズへの到達
私はオーストラリアの野鳥に関するありとあらゆるところを常時見ていて、複雑なネットワークも有している。オーストラリアにおける家庭医「GP」の仕組みののように、広い守備範囲でオーストラリアの野鳥に関する知見をすぐに、日本語で提供できるという意味で、今後少しづつ「オーストラリアの野鳥研究家」とも名乗っていこうと思っている。

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