Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

ディンゴ

ディンゴ
古くは独立種として扱われていたディンゴも、近年はタイリクオオカミの亜種の1つとして独立種として扱わない事の方が普通。一万年前頃にアボリジニの祖先に当たる東南アジア系の人々によって海を越えて持ち込まれたものがオーストラリアの地で多少変異したものと言われていたが、どうもその起源は5000年前だ、いやいやせいぜい4000年ほどに過ぎない、本土でフクロオオカミを絶滅させたのはこいつらに違いない、これは外来種だ、とか年々ディンゴは立場が悪くなってきている。日常語で言う「イヌ」とディンゴとの交配は自然に生じ、イヌと言われても違和感のないものも多い。特に、この個体のように栄養状態が良さそうなものは。


←これくらい痩せている個体だとイヌとは別亜種っぽく見える。(撮影:クィーンズランド州西部)基本的にディンゴはイヌと比べて手足が長く、切れ長な目、尖った耳をしていて尾はブッシーだ。
英名:Dingo
学名:Canis lupus dingo
(この他にも10以上の学名が提唱されており、議論の割れる所)
オーストラリア東海岸に生息するディンゴの80-90%は混血種だという。「イヌ」という、人間にとってもっとも身近な動物に吸収合併されかけているわけで絶滅危惧といわれてもピンと来ない。遠くない将来、純血のディンゴが消滅したとき、この動物の定義を巡って議論が繰り広げられる事になるだろう。

ディンゴはオーストラリアの生き物の中でも高い知名度を持つ生き物の1つだが、自然環境下で見かける事はそれほど多くない。基本的に単独又は少数行動で、比較的食料が豊富な地域に置いても縄張りは10km四方に及ぶという。

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