テングシロアリは他のシロアリの例に漏れず、太陽光に当たらないように蟻道を使用し、大々的にあり塚を拡張する際は夜間に出てきてやっているため普通にしていたら人目に触れない。これはあり塚に穴をあけたので出てきたテングシロアリの兵アリ。
学名 | Nasutitermes triodiae |
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英名 | Spinifex Termite |
インコやガ、トカゲなどあり塚そのものを巣にしている生き物も少なくない。シロアリと敵対関係にあるクロアリ達ですら、あり塚に居候(占領とも言う)するが、あえて一区画を提供する事で攻撃力の高いクロアリにあり塚の防衛を委託しているとの見方も出来る。テングシロアリは草食であり、クロアリのような牙などの攻撃力をあまり持たない。テングシロアリの兵アリは敵襲に遭うと頭部のツノ(1枚目の写真参照)からネバネバ液を噴射して動きを止める力しか持たない。
そんなあり塚を襲うハリモグラ。こんなのが突っ込んできたら多少ネバネバさせたくらいでは、…ねぇ。あり塚があればシロアリがいる。あり塚は見渡せば簡単に見つかるから、ハリモグラなどのアリクイは食いっぱぐれがない気がする。
周りにいる兵アリは職アリから二度の脱皮を経て形成される身分。しかし職アリの方が大きいので、正確には脱皮を繰り返して「縮む」ことになる。その過程でネバネバ能力も会得する。
樹木もまばらな内陸部の平原では、あり塚は貴重なストラクチャーとなる。
多種多様な生き物があり塚を一時的に隠れたり停まったりするのにも使う(写真はコシアカヒバリモドキ)。上に乗って周囲を見渡す場所に。メスを誘うお立ち台に。
裏に回って敵や強烈な太陽光からの隠れ場所に。
もちろんあり塚内部でも。テングシロアリだって糞をする訳だから誰かがそれを分解して共生しているはずである。