Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

カカドゥ国立公園で泳いでいた子供がワニに食べられて死亡した件について


(日中見かける日向ぼっこしているワニを見るのと違い、夜間は獲物を穫りに出てきてているので緊張感が違う。ケアンズにて。)


2週間程前にカカドゥ国立公園で泳いでいた子供達がワニに襲われ一人が怪我、一人が連れ去られた事件について。カカドゥという所はこのホームページにも何度も出てきているけど、地球上で最もワニが豊富にいる所の1つだ。90分のボートクルーズで30匹とか見つける。同時に数匹がボートの周りにいた事もある。

 ■ダーウィン&カカドゥ11(イリエワニの楽園)
 ■ダーウィン&カカドゥ5(イリエワニ)

ワニがうじゃうじゃいる事は誰だって分かっている。それでもオーストラリア人は川や滝で泳ぐ。


彼らには宿命論者なのか、単にめんどくさいのか、危険を知っていながら意図的に無視する所がある。新型インフルエンザが発生した時の日本はパニックだ。オーストラリアはその危険は報道されても実際に行動を伴うかというと伴わない。マスクもしない。川にワニがいるかもしれない。というか絶対にいる。日本なら立ち入り禁止だ。オーストラリアではまぁ食べられて死ぬかもしれないが、そのことをよく知っていても人々は陽気に泳ぐ。ケアンズ市はデング熱の発生地域だ。蚊に刺されればマラリアの一種であるデング熱に感染する恐れは十分ある。それでも人々はラフな格好で扉も窓も基本的に明けっ放しな上、ほとんど虫除けすらしようとしない。建設現場でも半袖短パンだし、酷いときは半裸だが、一応規則でヘルメットと安全靴だけは身につけている。皮膚がんの発生率は世界一という太陽が猛烈に照りつける国において、海以外で日焼け止めクリームを塗る成人オーストラリア人を見た事があるだろうか。私はない。


日本が保育園的に恐がり、安全至上主義なのは世界的によく知られることながら、オーストラリア人のこのハザードや健康、生命に対する無関心さを15年たっても未だに完全には理解できないでいる。自分のスタイルを変えない頑固な所は確かにある。なるようにしかならねえぇよ、という宿命論的な所も確かにある。そんな格好のいい物ではなくて、単に何もかも面倒くさがるだけだと総括することもできる。そうだとしても私はそんな彼らの方が、保育園児より好きでたまらないけどね。

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