
未見の放浪種、ミミジロセグロミツスイを狙った旅の二日目の朝。移動する前に再び昨日楽しんだ森を歩いてみる。相変わらず小鳥に溢れており快適。ムナフトゲハシムシクイ。

キリハシミツスイなどに加えて特筆すべきは

アカサカオウムがあちこちにいることだな。もちろんメルボルン郊外などにもいる種ながら、これほど濃く広くいたことはなかった。

アカサカ父子。

冬のキャンベラとかへ行って凍えなくても、野生のアカサカオウムをたくさん見続けたい人はここでいいんじゃない?犬の散歩の住民と話をしたのだけど、この時期は毎年沢山いるとのことだった。野生のコアラもいるんだとか。

キリハシミツスイの嘴は非常に長い。その鳴き声もユニーク。

気持ちの良い鳥の多い森だった。ワイバード向き。さて目的のミミジロセグロミスツイには出会えなかったので(終認から10日程度経っていたし)、大きく移動して北隣のニューサウスウェールズ州に入った。シドニーを擁するこの州はバードウォッチング的にはオーストラリアで最も軽んじられている州で、別に行かなくても良いというか、固有種もイワムシクイという一種類しかいないしツアーなども非常に少なく、あったとしても2−3日で駆け抜けていくようなものがほとんど。
午後にデニリキンの街で投宿したのちにミミジロセグロミツスイの目撃があった林を夕方探し続けるが、ミミジロセグロミツスイどころかほとんど生命反応のないひどいところだった。こういうのは嘘の目撃情報であることもあり、単に自分の宣伝と、そして競合バーダーを辺鄙なところへ送り込んでパソコンの後ろで喜んでいるようなタイプの人達だ。そんなことに人生を無駄遣いしているからあなたは貧しいままであり、その逆はみるみる豊かになっていっている人もいる。

これはガセだなと判断して移動。途中珍しくオナガイヌワシが地面に降りていた。小川で水を飲んでいたような雰囲気だった。撮影を楽しみ、そっと車を再び走らせ出したその時、脇の低木の中を何か小鳥が動いた。停車し双眼鏡を向け、ピントがあったこの時の瞬間の興奮を私は一生忘れないだろう。

それはミミジロセグロミツスイだった!!!

オーストラリアの野鳥741種類目。私はこの瞬間の為に生きているといっても大袈裟ではない。(続く)