毎年一回行っているパースへの野鳥観察旅行。ケアンズからパースへは直行便でも5.5時間もかかり今回は予約後に勝手にフライトがなくなってブリスベン経由便にされたので、自宅ドアを出てからパース空港に着くまで10時間くらいかかった。完全に外国だ。
それにしてもな、契約済みのフライトを削除するとか、経由便に変えるとか、出発時間を一方的に変えるとか、航空会社ってなんでそんな特別な権利持ってるんですか?
私はこの景色の下を走っているバス会社経営だけど、予約済みで代金ももらっているツアーを欠航にするとか、バスの都合がつかないので6時間遅れて出発しますね、とか都合でシドニーへ直行せずにゴールドコーストに寄ってからシドニーへ行きますね、今日は行けなくなったので明日出ますね、とか席数以上に予約を取ったのであなたは乗れませんね、なんていうことは絶対に許されないじゃない?しかもメール一通送るだけで?同じ旅客運送業で空中にいるのと地面を走っているかで一体何がそんなに違うというのか。中年になって私は空の旅がどんどん嫌いになった。飛行機が嫌いなのではなく、航空会社が大嫌いだ。
なお10日間の旅行といっても私の預け荷物はこれだけ(7kg)。洗面用具と5日分の着替え(途中で洗濯して10日分に)と雨具。何も壊れるようなものもないので布ケースだ。
うちのスタッフとか身内でも『それ何が入ってるの?』という巨大な荷物を持ってくるし、意味もなくハードケースだったりする。洋服と歯ブラシをそんなに防護して一体何になるんだ?筋トレか?
今回は総勢6人になったので業界標準のハイエースを探したのだけど10日間となると見つからず、韓国キア自動車のカーニバルという車になった。問題は日本の中高年の方々はこのサイズの電動でないドアを中腰の体勢で開け閉めすることが簡単でないことや、三列目シートを乗り降りのたびに中腰の体制で前後に動かすことは困難であるということだった。次にこんな機会があればなんとしてでもハイエースを探そう、なければ買ってしまおう。
オーストラリアの野鳥ツアー業界ではプラドが圧倒的で次がハイエースが標準。多くのガイドが選ぶには理由がある。謎の白い乗用車でやってきた競合ガイドとケアンズですれ違って度肝を抜かれたことがあるが。地元でそんな車でツアーしてるのはどうかと思うよ。10歳くらい年上なのに。
キア カーニバルはディーゼルモデルだっただから燃費が良かったことと、三列目シートまで使ってもなお収納スペースは確保していることは良いと思った。買うことはないが。
到着初日は商談があったのでその近くで安いシビックホテルというところにしてみた。普段あまり営業している感じではなくイギリスなら心霊現象が起きそうな不気味な廊下だった。普段使っていないらしく用意した鍵が開かない、といったトラブルで明らかに他の部屋の2倍以上広い1号室に泊まることになった。
これで写っているのはまだ半分。後ろにキッチンやトイレ、バス別々のスペースがあり一泊一万円しないのはパース中心部の近くとしては破格だと思う。隣はコールスだし。
まあそれで夜中に金縛りに遭うとか悪夢を見るとかのオチが欲しいところだけど、残念ながらオーストラリアには心霊話はない。その理由は国民性と、それから紫外線が強いからだと言われている。
参加者と合流し、初日(私は二日目)はパースの普通種をどんどん整理する。ユーカリインコとかニオイガモとかムラサキオーストラリアムシクイとか。写真はかつてチャイロコミミバンディクートと呼んでいた有袋類で今は独立種のクェンダ。野鳥と違って哺乳類の分類の変遷は特別追っていないので見逃しているものもいくつかあるけど、私のオーストラリア産哺乳類リストは多分118種だと思う。クェンダはチャイロコミミバンディクートとは別の動物という扱いを100%支持します。なぜならチャイロコミミバンディクートはこんな真昼間にカフェの足元をうろうろしていることなんて絶対にない。これが初めてではなく過去にも同じような環境と時間帯で見ている。
二日目からカメラを持つことにして、人気のハジロオーストラリアムシクイを。春の陽気の週末だったためか公園には驚異的な数の人々が散歩していて困ったが、杞憂だった。
今回の最短距離。参加者の一人から50cmくらいのところに飛んできて10秒くらいそこにいた。
ハジロオーストラリアムシクイのメスは全然違う色をしているけど、これはこれで可愛らしい。ここではムナグロオーストラリアムシクイもまあまあ見られた。
三日目へ続く。