マングローブオウギヒタキは林縁というよりはしっかり海に浸っているようなマングローブにいる傾向にあるのでなかなか陸上から出会う機会はない。撮影できたのはこれがわずかに2回目であって、ガイド的には今回一番嬉しい鳥だった。
カルンバには無限にマングローブが広がっている。そんな中でも鳥が濃くなっている場所というのはやはりあり、このズアカミツスイが飛び出してきた場所は去年のツアーの時にノドアカヒラハシがでた場所と全く同じだった。もしやと思って試すとノドアカヒラハシもちょっとだけ奥から顔を出してくれた。
キバラメジロはカルンバのマングローブ系野鳥リストの中で最も出会う機会の多い相手。黄腹というか、もう全身黄色い。
ケアンズでは見られないマングローブセンニョムシクイ。ハシブトセンニョムシクイがよくよそから来た人に「マングローブセンニョムシクイがいた」と誤認されるが、やはり地色が違う。
これも結構何箇所かで見られた。うん、1日半ほどの滞在ながらマングローブ系の野鳥は大体出したと言っていいんじゃないかな。全部陸上から。
アサートン高原では警戒心が強いツル達もカルンバでは同じ鳥とは思えないほどリラックスしている。アサートン方面でいかに農家が彼らを追いかけ回しているかということだろう。毒餌を撒いて多数のツルを殺害し、それが野鳥ガイドに発見されて裁判になり何千万円の罰金を受けた農家もいる。野鳥ガイドは本当にまさか?という遠くから見ている。そのスキルは戦争の時や漂流者捜索の時などに役に立つだろう。軍人が双眼鏡を構える映像を見ると『構えが素人っぽいな』とよく感じる。
光の中へ進むカオジロサギ。
【オーストラリアの最低時給は世界一高い】というような報道を見聞きする機会が近年増えた。まあ、世界のことは知らないが間違いではないと思う。
例えばこれはカルンバの食堂に貼ってあった求人で、履歴書もいらない誰でもできる仕事、桟橋やマリーナへ行って釣り人がどんな魚を釣ってきたか記録するという仕事。その時給は平日3500円、土曜日4200円、日曜日6500円となっている。こういうのを見るたびに野鳥ガイド業を続けるやる気が抜けていく。私だってこんな水準で頂いてないですよ。デビューまで10年以上の鍛錬を要求され、20年やったらようやく第一線、博士号保持者も多い野鳥ガイドはこんな仕事(失礼)よりも安いとは…オーストラリアでは国民感情として【労働とは悪夢であり、そんな嫌な事を強いる会社は高額な賃金を私に支払わなければならない】というのが存在する。趣味をしたり旅行をするために人々は生きている。
ホルスタイン攻撃型!?なんだこれ、テキサスロングホーンでもなさそうだしわけわかんない牛だ。
セイタカコウ飛ぶ夕暮れ。