住んでるマンションはまだ完成して新しいので、ケアンズではつきもののアリ害に悩まされる事は今まで無かった。でもだんだんと奴らは建物にトンネルを掘り、ついに私の部屋に達したらしくあちこちから小さなアリが侵入して来た。別に、何かにたかってるわけじゃなくて、浴室とか、寝室とか、食べ物っけが全然ない所でもぞろぞろ行列を作っている。
そのくらいなら私は構わないんだけど、奴らは時々意味も無く噛み付いてくる。仕方ない。まずは、彼らの侵入口を塞いだりしてみたけど、一時的な効果しか無い。出来るだけ無駄な殺傷はしたくないのだけど仕方ないから写真のANTRIDを導入した。
これは、ジェル状の薬品で、甘い香りと味があるらしく何滴かたらしておくとたちまち数百のアリが集まってくる。
しかし、時間差を持って毒物へと体内で変化し、直接食べた働きアリはもとより、餌をもらう子供や女王ありも殺傷する。冷静に考えると恐ろしい薬物で、出来ればこんなものは使いたくないし話し合いで解決(?)したいけど向こうがそれに応じないので仕方ない。
部屋の各所にANTRIDをたらして置いたら、たちまちそれぞれのポイントで凄まじい数のありがたかっている。こんなにいたのか?すっごい元気だ。なんか、むしろ餌を上げてる気分になったけど。
翌朝。部屋の中にはどこにも、あれほどいたアリの姿はなかった。まさに”沈黙の春”(レイチェル・カーソン著)の世界。
嬉しい、という気には少しもならなかった。