私のガイドとしての最初のキャリアはケアンズの日系ツアー会社による観光風動物探しツアーとキュランダ観光ツアーだった。その当時キュランダ鉄道やスカイレール、動物園には毎日のように乗っていて、終わり次第そのまま午後から動物探しツアーへ継続というような1日15時間ブラック労働が平然と行われていた。その後送迎などで駅に来ることは数多くあったけど、自分が実際にフルで乗車するのは26年ぶりになった。
ケアンズ市内の住宅街を抜けていくあたりののどかだった景色が近年の人口爆発で悪い方に激変しておりそれはショックを受けた。オーストラリアの人口は当時1700万人だったが今2900万人にまで激増しており、そんな先進国があとどこにある?
かつては列車内はカントリーソングが流れ、それは当時の鮮明な記憶となっていたけど今では無くなっていた。当時所属していた会社ではこの2時間の乗車中ノンストップ、ハイテンションで大声ガイドし続けることを売りにしていたし、実際評価されていた。それは元々陽気なキャラの人ならいいが、私のような口数の少ない人間がそうしたキャラを演ずることは多大な労力を要し、転職につながっていく。
こちらはロープウェイからの景色。さすが世界遺産だけあってこの景色は26年前からほとんど変わっていない。本来世界遺産とか国立公園とはその価値をロックして次の世代へ渡す目的のものであり、それを持って町おこしなどをするものではない。オーストラリアでは比較的そのことが理解されており、くだらない「〇〇館」とか「〇〇ロード」などは滅多にない。
このロープウェイも建設にあたって猛反対を浴び、森の保全のため木の伐採や作業道路建設が基本的に認められず、超大型軍用ヘリのチャーターによって莫大な費用をかけて空中から建設されたことはもうあまり今では知られていない。2026年の今そういうことを議論しているのではなくて、90年代にはすでにもうそんなことをオーストラリアはやっていた。
滞在は長らく「ケアンズインターナショナル」として親しまれたケアンズの最高層ホテル。今は名前が変わっている。初心に帰ってみれば(旅行者目線で見れば)大自然のスレスレにケアンズという街はあり、これはなかなか面白い旅行先ではないかとも感じた。
残念なのは日豪間の経済力がこの26年でひっくり返ってしまったことであり、当時70円ほどの1オーストラリアドルは現在114円もする。その上で経済成長で現地ツアー代金やホテル代、外食代は3倍以上になってるから合わさると4倍近い負担だと思う。ケアンズには三日間観光で過ごしたけど日本人観光客はほとんど見かけなかった。
廊下の突き当たりに絵が飾ってある…のではなくリアルな景色。いやあもったいないね。いいところなんだけど、なかなか円で簡単に払える金額ではない。
野鳥観察のような特殊分野はまだしも、一般的な観光は今後益々日本人は減りいずれいなくなるでしょう。ただオーストラリア人がどんどん日本に遊びに行く為に2国間航空路線は維持される。