買う時のチェック漏れと言われればそれまでだけど、23人乗りバスのPAシステムが故障しておりラジオを流すことはできてもマイクで喋っても拡声されないという不具合があった。とりあえずパーティーとかで使われるような携帯式の100wスピーカーにマイクを繋いで凌いでいたものの、私はそういう一時凌ぎは好きではないのでPAシステムごと入れ替えることにした。
タッチパネルが入ると見違えるほどモダンに見えリセール価格も上がったと思う。これによってマイクがドライバーとガイドとで2本使えるようになった他、iCarplayにも対応、さらにこれまでなかったリアビューカメラもつけてバックするときに後ろが見えるようになった。
『なぜ車椅子対応バスを?』と聞かれるのだけど、最大の理由は『龍谷大学からの団体を受け入れるまでにすぐ業務に使える認証が揃っている適当なマイクロバスがケアンズ周辺の市場に他になかった』という後ろ向きな理由もあるし、もう一つは『人数によっては荷物車を牽引する必要がなくなる』という点がある。最後部の4席はワンタッチで取り外せる仕組みになっており
このような巨大なスペースが出現する。ここにスーツケースを収納できるし、AAK Nature Watchが毎年請け負っている音楽フェスティバルの送迎でミュージシャン達がドラムやハープなどの巨大荷物を持ってきても面倒なトレーラー(荷物用牽引車)を引かなくても運ぶことができる。
8月末にデビューしたこの23人乗りバスの受注は上々で、年間の目標収益額を2ヶ月もかからずに達成するというロケットスタートを切った。元々の目標額が無欲すぎた感もあるけど、そもそもの動機が態度の悪いケアンズのバス業界に風穴をあけることだった。
AAK Nature Watch 最大の車両 23人乗りローザを紹介します
$1の広告も出すことなしに2ヶ月で年間目標額を売り上げたこのロケットスタートを見れば「従来のバス会社の態度に私を含めて世間は辟易している」という私の見立ては当たっていた。何年か前、コロナ禍が始まり他社がバスをパニック売りしている中で、逆にAAK Nature Watchはバスを格安で買い増して貸切バス業に参入し、他社が休眠状態にある隙をついて瞬く間にシェアを獲得した時と同じよう。