友人の誕生日パーティーでヤシオウムの研究(Murphy et al, 2003)が有名なスティーブマーフィー博士と久々に会い、まとまった時間話をする事が出来た。一番印象的だった内容はタイトルの通りで、これからの自然調査職に求められる技能についての意見。
曰く「学生を獲得する為に、動物学とか環境保全学といった耳障りのいい学部をどんどん学校が増やしているけど、それらは調査現場ではあまり役に立たないんだよ」
「今要求されているのはそういった曖昧(hazy)な知識じゃなくて、例えば上がってきたデータを解析する統計学。それからデジタル測量技術とかそういう実務的な知識がある人間であって、『大学で動物を学んできました』という人よりも数学が堪能な人の方がずっと自然調査や環境調査で今や仕事があるからね」と。…けっこう衝撃。でも考えてみればその通りだろう。私自身も幾つかの動物調査でボランティアをしていて感じるのは、オーストラリアでは単に動物に詳しい人などボランティア内でももう十分という位にいる。それはもう、本当にとんでもないレベルの人が在野に大勢いる(そして、2週間とか4週間といった期間の調査に何の支障もなく参加できるようなヒマな 時間の融通が利く人もうじゃうじゃいる)。
どうも博士は「動物が好きなので動物を勉強しました。そして動物の仕事がしたいです」という学生に辟易しているような印象を受けた。まぁ動物相手の仕事は私のような超零細事業者のところにも稀に「雇って下さい」という人がいるほどに強く憧れる人は少なくはないみたい。また博士は「(どうしても動物を学ぶんなら)すべてのベースになって潰しがきく昆虫学がいいと思う」とも。
「もしどの大学での行けるという人なら大都市の規模の大きな大学に行くといいんだ。なぜかって?研究機会や仲間が豊富で何より研究に対して国からのお金が優先して届く。ケアンズやダーウィンの大学も素晴らしい人材はいるよ。ビルローレンス教授 なんて世界的な評価を受けている。でも地方都市大学ではどうしても予算と研究仲間は限られる。」
これから進路を考える、なんていう若い人達がもしここを読んでいるのなら参考にして欲しい。スティーブマーフィー博士は野生のヤシオウムと会話をする映像でも有名↓
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