2010年09月10日
「大きくなったヒナがいよいよ巣立つ日がやってきた。素晴らしく長く、婉曲した自慢の美しい翼。大気を掴み、若鳥は勇躍天空へ躍り出た。なにも遮るもののない高空へ。彼女はそのまま、4年の歳月を、昼も夜も1度も空から降りることなく空中で過ごした。」
こんな話を信じられるだろうか。
回転していないブーメランのようなものがケアンズの空高くを目にも留まらぬ速度で飛んでいくのを見たことがないだろうか?ハ
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2010年07月14日
The Roaring 40's (吠える南緯40度線)、という言葉を知っているだろうか。一年中悲劇的な西風が吹き荒れる海域の事だ。もっと恐ろしい、Furious 50's(狂う南緯50度)という惨劇的な海域もある。航海記に眼を通すと「風速60ノット」「97ノット」といった想像もつかない列風。それらこの世の果てのような気象はどこにあるのか、というとオーストラリアにある。あるもなにも、タスマニア州は
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2010年05月11日
そこに、姿は無かった。
街路樹にも、しゃれたオープンカフェの周りにも、ツバキの植え込みにも。電線にも、建物の屋上にも。
冬の東京都心、有楽町、池袋、新宿、品川。大阪梅田、本町、天王寺。雪が舞う本格的な寒さの中、どこからこれだけの人達が湧いてきたのだろうという数の会社員達が各地で足早に行き交う。それに混じって三日間、各地で関係者と商談をしてきたのだが、終始殆ど姿を見なかった。そこに、鳥はいなかっ
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2010年02月13日
『渡り鳥は、地球環境を考える上でこの上の無い指標の一つである。人知を超えたこの自然現象を将来の世代が享受できるかは私たち次第である 』
スミソニアン博物館研究者 トーマスEラブジョイの文章だが、渡り鳥達は他の地球生物と比較すれば桁外れの行動範囲と移動速度、多様なナビゲーション能力を持っており確かに地球環境の変化を一番良く知っている生き物かもしれない。彼らが健全な状態にある為には、国境を越えて広大
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2010年02月13日
オーストラリア大陸のバードウォッチングキャピタルといえばやはりケアンズ。そんなケアンズに相応しいイベントが行なわれる。待ちに待った時が来たのだ。
ケアンズの探鳥会は今年から、ケアンズ市が主催しているフェスティバルケアンズ(ケアンズ市民祭り 8月21日ー9月6日)に協力。期間中は様々な観察会やイベントを行う。業界関係者の集まり、新製品発表会といった類のイベントではなくバードウォッチングの更なる普及
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2010年02月13日
「昨年の大洪水の影響か今年は過ごし易いよ、最高気温だって50度を超えてないよ」
クィーンズランド州北西部、ノーザンテリトリー準州との州境近くの町ボウリア。セキセイインコが一時的に大発生していると聞きこの時期酷暑なのは覚悟の上でケアンズから1400キロを運転してやってきた。この辺りはオーストラリア公式の史上最高気温53度を記録した地域だが、公式記録は日光も熱風も地上からの反射熱も遮った環境で測定
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2010年02月13日
懐かしい匂いがあった。白樺の高原の薫りか、低山のクマザサの薫りか。匂いと同時にその向こうの景色が見えたに違いなかった。
気がつけば十五年もの間、私のフィールドライフの相棒であった1人用の超小型テントを知人に譲る事になった。最後にメンテナンスをしてやろうと思い家で組み立てたら天幕に染み込んだ木や大地の匂いに加え、北アルプスの風の音、四万十川の水さやの光、ニューカレドニアやバヌアツの湿った空気、富士
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2010年02月13日
いよいよ九月。ケアンズのバードウォッチングハイシーズン開始だ。
もともと相当な数で存在する留鳥に加えて北半球や東南アジアからの渡り鳥がぞくぞく渡来し、より一層に数、種類ともに増加する。それを求めてオーストラリア各地の愛好家がケアンズに集まってくる上、ヨーロッパやアメリカ、シンガポールや台湾といった地域のバーダーも一気に増える。有名な宿は1年前から予約で埋まっているのがこれからの時期だ。
日本の
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2010年02月13日
ケアンズが10月としては記録的な温度、34度をマークしたその日。
そんな日は涼しい図書館で文献でも読んでいればいいのだが、運が悪い事に私は内陸乾燥帯にて野宿をしながら二日間バードウォッチングの下見に来ていた。手元の温度計は41度を示し、日差しの激烈さを加味すれば45度あるんじゃないかという乾ききった土地。強力な日焼け止めを2時間おきに塗り直していけばちゃんと一日で真っ黒に焼けます、という防ぎよう
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2010年02月13日
十一月の最後の日、リビングインケアンズ主催で入門者向け野鳥観察会を行った。前日までストームが一週間続き、当日も怪しげな天候の中で少年からご年配の方まで参加して楽しい時間となった。季節柄、幼鳥や抱卵、巣作りといった生き生きとした姿を見られ、とどめに一メートル級のナミヘビの仲間を飲み込むワライカワセミ幼鳥を間近で(それこそ二メートル以内)見た。町の中心部から車で5分の緑地で、こういった光景を見られるの
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